環境環境負荷低減への取り組み
資源の有効利用・廃棄物削減への取り組み
気仙沼営業所における水産加工残債の有効利用
水産品の選別・凍結設備を有する気仙沼ソーティングスポットでは、作業過程で発生する残滓(不可食部)を加工して、地元のフィッシュミール業者へ販売しています。フィッシュミール業者では、その加工残滓を使って、魚粉や魚油を製造。それらは養殖魚の配合飼料の原料となっています。このように、ヨコレイでは地元企業との連携によって水産廃棄物の削減を図るとともに循環型水産業の推進に向けた取り組みを進めています。
水資源への取り組み
ヨコレイでは、冷蔵倉庫の冷却塔の補給水など、主に冷蔵倉庫事業において多くの水を使用しています。
水資源の保全は重要な社会課題の一つであることから、ヨコレイの環境方針内で水資源の保全を行動指針として掲げ、事業活動における水使用量の削減に取り組んでいます。
ヨコレイでは、冷蔵倉庫事業・食品販売事業・通関事業の国内事業所および海外連結子会社の拠点87のうち、約56%にあたる冷蔵倉庫事業49拠点において水の管理計画を策定し、取水量の把握や排水時の水質管理、水リサイクルを実施しています。
水使用量の削減に向けた取り組み
スクラバー洗浄機の導入
ヨコレイでは、冷蔵倉庫内荷捌きフロアーの洗浄方法を高圧洗浄機からスクラバー洗浄機での洗浄に変更を進めています。例えば、高圧洗浄では3,000㎡の床洗浄に30,000ℓの水が必要なのに対し、スクラバー洗浄機ではわずか80ℓの水で同面積の床洗浄が可能となり、水使用量の大幅な削減が見込めます。すでに全国の事業所にて使用しており、今後更に導入を推進していきます。
密閉式冷却塔の導入
冷却水を冷却するための冷却塔(クーリングタワー)には開放式と密閉式の2種類があります。開放式冷却塔は定期的にコンデンサーの開放洗浄をする必要があり、1台あたりの洗浄には約2,000ℓの水を要します。一方、密閉式冷却塔は半永久的にコンデンサーの洗浄が不要であるため、洗浄にかかる水量はゼロです。そのためヨコレイでは、冷蔵倉庫新設や冷却設備更新の際には、密閉式冷却塔を採用しています。
セル式冷却塔の採用
ヨコレイでは、冷蔵倉庫の冷却塔にセル式(分散式)を採用し、冷却負荷に応じて稼働台数を制御しています。例として、300冷凍トン1台の冷却塔を100冷凍トン×3連式とし、100冷凍トンの冷却負荷の時には1台のみ運転するようにすることで、消費水量を1/3に抑えることができます。
水リスクの把握
ヨコレイでは、WRI(世界資源研究所)のAqueduct※を用いて、事業の拠点における水リスクを調査しています。各拠点の水ストレス度および水使用量を把握し、水資源の有効利用などの対策を進めています。
WRI Aqueduct Water Risk Atlas Water Stressにて評価
水ストレス度 | 拠点数 | 2023年度取水量(㎥) |
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Extremely High (>80%) | 0 | 0 |
High (40-80%) | 0 | 0 |
Medium - High (20-40%) | 20 | 167,418 |
Low - Medium (10-20%) | 26 | 278,803 |
Low (<10%) | 5 | 64,756 |
合計 | 51 | 510,977 |
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- 対象範囲:
- 冷蔵倉庫事業の国内の全拠点計49箇所および平戸アイスファクトリー(食品販売事業における水使用量は冷蔵倉庫事業の1%以下であるため対象外としています。)
日本国内の拠点における渇水のリスクは高くありませんが、引き続き使用量の削減に努めるとともに水害等の水リスクへの対策を進めてまいります。